紫大根にもさまざまな種類がありますが、2008年に発売開始された新種の「味いちばん紫」のことは、皆さんご存知でしょうか?
宝石のように美しい紫色の「味いちばん紫」は、お酢に漬けると桜色に変色する、不思議な野菜です。
ここでは、そんな味いちばん紫の魅力をご紹介していきます。
新種の紫大根~味いちばん紫
「味いちばん紫」は、野菜畑作物の種子の製造・販売会社、シンジェンタジャパン株式会社が販売している大根の品種です。
紫大根の一種、味いちばん紫は、2008 (平成20) 年頃から国内で種が発売されました。
それよりも前に韓国で先行販売されているとのことです。
なぜ新種をつくったの?
紫大根はすでに各種市場に出回っているのに、なぜ「味いちばん紫」という新種が開発されたのでしょうか?
それはおそらく見た目の美しさ、発色の鮮やかさを追求した結果だと思われます。
味いちばん紫は、首の部分が濃い紫で、そこから下はそれより少し薄い紫色です。
中は、表皮から5mmほどの厚さで濃い紫色の部分があり、その内側は白地に部分的に薄い紫が混ざっています。
味いちばん紫の上品な紫色は「アメジストみたいで綺麗」と評判です。
ホームパーティや家族のお祝いの席で、サラダの彩り野菜として使うと、華やかな雰囲気を演出することができますよ。
美味しく食べるには?
味いちばん紫は、一般的な白い大根と比べると水分は少なめで、コリコリとした食感が心地よい、生食向けの野菜です。
辛みが少なく、甘みが強い大根です。サラダや和え物などに使うのがお勧めです。
甘酢に漬けたり、お酢の入ったドレッシングをかけると、鮮やかな濃い桜色に変わり、美しさが増します。
酢の香りと食感がマッチして、とても美味しいですよ。
味いちばん紫を花びらのように薄くスライスして、薔薇の花のように重ね合わせると、本物の花のように綺麗な仕上がりになります。
パーティ用のサラダに最適です。
加熱調理をすると甘さが引き立つので、ソテーするのもお勧めですよ。
旬や特徴
大きさは長さ20cm前後、太さ8~10cmで、重さ700g~1kgほどです。
店頭に並ぶ時期は11~2月です。冬の野菜となります。
味いちばん紫は珍しい野菜なので、スーパーで入手するのは難しいようです。
味いちばん紫の価格は
入手可能なのは、鎌倉市農協連即売所 (通称:レンバイ)と、農事組合法人・ふるさと明日香・あすか夢販売所 (奈良県高市郡明日香村) です。
冬の時期にいつもあるというわけではないようなので、価格については、直接お問い合わせください。
鎌倉野菜
ここでは、鎌倉市農協連即売所について、簡単にご紹介していきます。
鎌倉市農協連即売所には、味いちばん紫以外にも、カラフルな大根が数多く取り揃えられています。
その理由のひとつとして、近年、鎌倉に、鎌倉野菜を売りとするレストラン (主にイタリアン) が多くオープンしており、そのシェフたちがカラフルな野菜を求めてやってくるということが挙げられます。
今一押しの鎌倉グルメは野菜中心のイタリアンだという声も多く聞かれます。
実際、筆者が鎌倉在住の友人に「鎌倉でお勧めのランチの店は?」とたずねると、教えてくれた店はすべてイタリアンでした。
買い物するときの注意点
次に、鎌倉市農協連即売所で買い物するときの注意点について。
この即売所はとても人気が高く、午前中にめぼしい品はほぼ売り切れてしまいます。
レンバイでの買い物と観光を両方楽しみたい方は、午前中に買い物を済ませ、野菜をコインロッカーに預けるか、宅配便で自宅に送るかして、それから観光を楽しむようにしてくださいね。
味いちばん紫の簡単レシピ
味いちばん紫の美しさと甘みを生かした簡単レシピをご紹介します。
味いちばん紫の簡単ディップサラダ
味いちばん紫は生のままで、他のカラフルな野菜 (生でも蒸しても良い) も添えて、美しく並べ、ディップにつけて食べるというのはいかがでしょうか?
ディップは、マヨネーズを使うと簡単です。
缶詰のアンチョビとマヨネーズを和えたアンチョビマヨネーズ、たたいた梅干しとマヨネーズと和えた梅マヨネーズなどがお勧めです。
味いちばん紫のステーキ
味いちばん紫は白い大根と比べて辛味が少ないので、ステーキにするのもお勧めです。
まず、味いちばん紫を2~3cm幅の半月切りにします。塩こしょうで下味をつけ、フライパンにふたをして弱火で15分焼きます。
裏返して5分焼きます。
ソースを作ってかけます。
ソースは、梅干し1個、ポン酢大さじ3、かつおぶし適量、チューブからし適量で作ります。
食感が魅力の紫大根
味いちばん紫は、鎌倉や奈良の直売所で手に入る、美しさとコリコリとした食感が魅力の紫大根 (冬野菜) です。
紅葉の季節に、観光のついでに直売所に立ち寄り、お手にとっていただけたらと思います。