熊本市の伝統野菜の「ひご野菜」のひとつとして“春日ぼうぶら”という野菜があることをご存知ですか?
“春日ぼうぶら”はかぼちゃの一種なんですがとにかく形が特徴的なんです。
見た感じとしてひょうたんに似ているもの、ヘチマにも似た感じのものもあります。
春日ぼうぶらとは
カボチャはその昔、ポルトガルからカンボジアを経て日本に伝わったとされています。
その際、カンボジアから来た野菜と言う事でカンボジアが訛り「カボチャ」と呼ばれるようになったのが、かぼちゃの語源です。
そしてこの「ボウブラ」とはもともとポルトガル語「abobora=アボーボラ」が訛ったものと言われています。
この「abobora」とはウリ科の野菜を意味する言葉だそうで、ポルトガル人によって伝えられた事を意味しているのです。
今では「かぼちゃ」という呼び方が一般的ですが、今でも九州では「ボウブラ」と読んだりもしています。
熊本県の伝統野菜 「ひご野菜」の一つ
春日ぼうぶらは熊本県春日地区で古くから作られてきた在来種で、かつてはありふれた野菜の一つでした。
その後新しい品種に切り替えが進み、一時はほとんど姿を消してしまうまでになっていたようです。
2004(平成16)年頃から「春日ぼうぶら保存会」の活動などにより復興がすすめられ、2006(平成18)年には熊本市が「ひご野菜」にも指定しています。
春日ぼうぶらの特徴
形はひょうたん型からへちま型、さらに首が長く、鶴首かぼちゃに似たようなものまであります。
大きさは30~50cmほどです。
外皮は白く粉をふいたようなくすんだ橙色で、縦に条溝があります。
中の果肉は鮮やかなオレンジ色で特に種がある部分は空洞になっていて、赤みが強めのオレンジ色をしています。
「春日ぼうぶら」の価格
春日ぼうぶらの価格は一本あたり380円〜500円となっています。
しかし、2019年は主な産地である熊本県での生産数が0でした。
最近は春日ぼうぶらを栽培している農家もほぼないので、もし道の駅や直売所で春日ぼうぶらを見つけたら、ぜひ購入するよぷにしましょう。
「春日ぼうぶら」の栄養
春日ぼうぶらの栄養はかぼちゃの栄養素とほぼ同じです。以下でかぼちゃの栄養について見ていきます。
カボチャは代表的な緑黄色野菜です。
カロテン、ビタミンB群を多く含んでいます。特に西洋カボチャにはビタミンCも豊富な上、カロテンはホウレン草に匹敵するほど含まれています。
β-カロテンも多く含まれています。
β-カロテンは抗発ガン作用や免疫賦活作用で知られています。
その他にも体内でビタミンAに変換され、髪の健康維持や、視力維持、粘膜や皮膚の健康維持、そして、喉や肺など呼吸器系統を守る働きがあるといわれています。
「春日ぼうぶら」のレシピ
希少な春日ぼうぶらをゲットしたら、ぜひ作ってもらいたい一品です!!
「春日ぼうぶらのあったかスープ」
材料
- 春日ぼうぶら 300g
- 牛乳(豆乳でもOK)120㏄
- 水 200㏄
- 塩胡椒 適量
作り方
- 「春日ぼうぶら」のわたと種を取り除き1~2㎝角に切る。
- 耐熱容器に並べラップをかけて電子レンジで2分加熱したら熱いうちに皮を剥く。
- 鍋に水とぼうぶらを入れて中火で柔らかくなるまで8~10分茹でる。
- 柔らかくなったら一度火を止めて、まんべんなく潰す。(舌触りが気になる人はこす)
- 牛乳を加えて、火にかけて、とろみがでたら塩胡椒で味を整えて完成です。
シンプルな材料で、春日ぼうぶら本来の甘味と旨味を味わってもらえるあったかいスープです!
まとめ
今回は、春日ぼうぶらにスポットを当てて紹介してきました。
見た目は南瓜じゃないのに、かぼちゃ!という驚きと、日本にいるのにまだまだ知らない野菜が沢山あるのね~と関心してしまいました。
消費者にもっと伝統野菜を知ってもらいたいという生産者さんの気持ちに感動しました。
熊本に行ったらぜひとも食べてみて下さいね!