山形県ではよく知られている山菜「アマドコロ」には、さまざまな魅力があります。
春に出てくる芽の部分と、地中に伸びる茎、どちらも美味しく食べられます。
5月に咲く花はまるでスズランのようで、野草が好きな人に愛されています。
ここでは、そんなアマドコロについてご紹介していきます。
甘野老(アマドコロ)を知っていますか?
花は美しく、若芽は美味しい~まさにお勧めの山菜・アマドコロ
北海道や九州に至る全国の山野に自生している山菜・アマドコロですが、東北地方 (山形県、青森県) の市場に出荷されている、知る人ぞ知る美味しい山菜です。
地中に根茎を伸ばし、春に地上に芽を出し花を咲かせます。
花が咲くのは5月頃で、その姿はスズランによく似ています。
その美しさと愛らしさで、観賞用の花としても人気があります。
食用となるのは、春先に出てくる若芽と、地中に伸びている根茎です。
若芽の収穫時期は3~4月で、アスパラガスに似た風味と甘みがあります。
根茎の収穫時期は10~11月で、ほんのりと甘みがあり里芋のような粘りがあります。
アマドコロの値段?どこで買える?
アマドコロは、東北地方のスーパーマーケット、ネットショップなどで手に入れることができます。
「JA全農庄内」のシールが貼られた商品が多く出回っているので、庄内地方で手に入れるのが確実でしょう。
価格ですが
アマドコロの若芽は100グラムで600円程度です。
アマドコロの根茎は200グラムで1200円程度です。
アマドコロによく似た毒草がある!?
日本全土で自生しているアマドコロは、山菜採りを趣味にしている方には、とても人気があります。
アマドコロによく似た山菜には、ナルコユリ、ホウチャクソウなどがあります。ナルコユリはとても美味しい山菜です。
しかし、ホウチャクソウは毒草なので、山菜採りの際には注意が必要です!
アマドコロ、ナルコユリ、ホウチャクソウを見分ける自信がありますか?
根が横に伸びるのがアマドコロ。根が放射状に枝分かれしているのがホウチャクソウ。間違って採らないようにしてくだいね。
さらに慎重に考えるならば、間違って毒草を食べてしまうリスクを避けるため、アマドコロは山では採らず、店で買う方が良いかもしれません。スーパーマーケットかネットショップで買うと良いでしょう。
アマドコロの特徴や名前の由来
アマドコロの名称の由来、皆さんご存知ですか?
「ドコロ」というのは根茎 (見た目が芋のよう) のことです。
「ドコロ」を食べると甘いので、「アマドコロ」と名付けられたのです。
甘野老(アマドコロ)は、甘い芋、という意味なのです。
アマドコロの根茎は、スーパーでもあまり見かけないのですが、とても美味しいので、もし野菜売り場で見かけたら、ぜひ手にとっていただきたいと思います。
ソフトな甘みとほっくりとした歯ごたえは最高です。
アマドコロの若芽のほんのりとした甘さは、野菜好きの方には本当にお勧めです。
ネギをこんがり焼いたときの甘さとよく似た甘さが感じられますよ。
下準備は慎重に
アマドコロの若芽の下処理ですが、根元のハカマを取るだけで大丈夫です。
アク抜きは不要です。
アスパラガスをイメージしてもらえば良いかと思います。
ゆですぎるととろけてしまうので、注意しましょう。
アマドコロの簡単レシピ
アマドコロの若芽、根茎、どちらも、どう調理すれば良いか戸惑ってしまうかもしれませんね。
野菜炒めに入れるわけにもいかないですし。ここでは、手間いらずの簡単レシピをご紹介していきます。
アマドコロの若芽の酢みそ和え
アマドコロをさっと塩ゆでします。
外の紫色の皮が鮮やかな薄緑色に変わったら取り出して、冷水につけます。
食べやすい大きさに切って、酢みそで和えたら完成です。酒のつまみには最高です。
アマドコロの若芽の肉巻き
アマドコロの若芽と豚肉の相性は抜群です。
アマドコロをさっと塩ゆでします。外の紫色の皮が鮮やかな薄緑色に変わったら取り出して、冷水につけます。
アマドコロを半分に切ります。
半分の長さに切ったアマドコロを豚バラ肉で巻きます。
肉の巻き終わり部分を下にして、フライパンで焼きます。
火が通ったら裏返して焼きます。
裏にも火が通ったら、塩・こしょうで味つけして完成です。
味はアスパラガスの肉巻きによく似ています。
アマドコロの根茎の天ぷら
ひげ根を取り、皮をむいたアマドコロを薄切りにして、薄めに衣をつけて (市販の天ぷら粉など)、天ぷらにします。塩で食べるのがお勧め。ほくほくして食感が良く、美味しいですよ。
アマドコロの甘みを味わいたい!?
アマドコロは、まだまだメジャーとは言えない山菜ですが、味の良さはお墨付きです。
味も楽しみですが、アマドコロには、さまざまな効能もあります。滋養強壮、老化防止、美肌などの効能があるそうですよ。
アスパラガスによく似た若芽。芋のような甘みがある根茎。どちらもお勧めなので、ぜひ一度食べてみてくださいね。