さんまの価格の違いにはどんな理由があるのでしょう。
旬の時期にさんま1匹当たりの価格100円前後といった宣伝を目にすることもあれば、時期や年によっては数百円の値段がついていることもありますね。
大きさ・漁獲・時期(季節)によっても値段は違うのでしょうか?
そのような疑問を解説していきますので見ていきましょう。
さんまの値段
さんまの初競りでは価格が高騰することがあります。
2019年5月には令和初物のさんまということでキロ2,000円の値がつきました。
それをデパートで1尾1,980円で販売し話題になりました。
そして、2016年のことですが1キロ6尾入りの箱が20万円で競り落とされたのです。
つまり一匹(一尾)あたり37,800円です。
3万超えともなるとさすがに庶民としては手を出したいとは思えないかもしれません。
価格が万を超えてくるとさすがに「さんま」のイメージから大きくかけ離れてくるように感じますね。
さんま一匹の価格
例外を除き、通常のさんまの価格は、100グラム60円から140円の価格で取り扱われています。
普通のサイズのさんまが1尾150gくらいなので、上述したように100グラム60円から140円ですから
- 中1匹(1尾)90円から210円
- 大1尾は120円から280円
が一匹あたりの値段になります。
脂ののっている時期に手ごろな価格に収まってくれるといいですね。
さんまは値上がりしている
さんまは年々値上がりしています。
10キロあたり2776円で、2018年と比べると3割増となっています。
卸売価格の高騰は当然小売価格にも影響するので、私たちがスーパーで買う時にもその影響を受けます。
ではなぜ、さんまは値上がりを続けるのでしょうか。
理由はさんまの漁獲量が減少しているからです。
2018年のさんまの漁獲量は10年前の4分の1とまでなっています。
ではなぜさんまの漁獲量が現象しているのでしょうか。
以下で解説します。
漁獲量が減少している理由
漁獲量が減少している原因のひとつに台湾や中国の乱獲ではないかと言われています。
乱獲というよりは日本の漁の方法と台湾、中国の漁の方法が違うので乱獲が全てとはいえません。
日本の漁法は沿岸に近づく群れを小型船で待ち、漁場と港を往復するやり方。
台湾、中国の漁法は大型船でさんま漁を行っています。
大型船内では箱詰め、冷凍加工ができ輸送船に積み替えいるので漁船は港に戻る必要がないといいます。
つまり、ずっとさんまの動きに合せて漁ができるということですね。
その他に「漁場が遠くなった」と漁師の意見もあります。
これにも理由があり、さんまは北の海から産卵のために夏から秋にかけて南下するのです。
日本に近づく来遊量は、ここ数年は減少傾向にあり今年はなんと去年の半分の量だと予想されていて
原因は、温暖化でさんまの回遊ルートが変化しこれに日本の漁船が対応できなくなったことも原因でもあるということです。
打開策とは
漁獲量の減少を打開するために、2019年から通年さんま漁が解禁されました。
今までの日本のさんま漁の期間は8月〜12月まででした。
そのため、すでに5月にはさんま漁を行なっている漁師もおり、セリも行われています。
現在のところ、さんまの漁獲量はまだまだ少ないということです。
まだ、一年立っていないので、漁獲量が少ないのは当たり前ですが、今後に期待が集まっています。
しかし、根本的な解決にはなりません。
なぜなら、さんまの旬は皆さん後存知の通り秋ですが、旬の秋を待たずして春に釣れるさんまは、小ぶりで脂も乗っていないので味の悪いさんまで、非常に小さく細いため、例年であれば売り物にならないようなレベルだからです。
今年から始まった通年さんま漁、今後どうなるか期待ですね。
さんまの価格推移
スーパーマーケットなどの市場での価格は100グラム60円から140円で推移しています。
数年間の推移を平均してみるとこの価格帯を目安に変化しているようですね。
時期による推移
もちろん年によって異なるのですが、月によっても異なります。
毎年の平均的な推移として、毎年7月から8月にかけて価格が上昇する傾向にあります。
そして市場をにぎわすのは秋ごろです。
ですから7月から8月に価格が上昇し、秋ごろに落ち着いてくるといった推移をたどっていきます。
その年のさまざまな要素によって時期がずれることもありますがこうした変化が見られています。
さんまのサイズ
さんま(中)の価格帯を先ほど取り上げました。
さんまのサイズは市場に水揚げされる段階で(大)と(中)サイズに自動選別されます。
- 中1尾の重さが生で約150g
- 大1尾の重さが生で約200g
これらの食べられる部分を計算すると(骨・内臓・頭を除いて)約80%です。
100グラム60円から140円の価格推移からすると
大1尾は120円から280円になるわけです。
さんまの旬とは
さんまの旬は9月から10月です。
秋と言えばさんまとの印象があるほどですからその時期はある程度手ごろな値段におちついてほしいものですね
地域にもよりますが水揚が安定してくる時期つまり中旬には価格はそれよりも安い価格まで下がってくる傾向にあります。
脂がのっている時期
9月から10月までの時期で、その旬の時期が過ぎていくにつれて「脂のり」も少なくなってきます。
この期間のさんまはサイズも大きいものが水揚げされますね。
「新鮮さんま」ならではで、さんまのお刺身のチャンスもまさにこの時期なのです。
希望を言うならば、この時期にある程度の漁獲があることで価格が手ごろな価格に抑えられるといいですね。
旬だからこそ味わいたい食べ方があります
さんまの栄養とは
さんまにはDHA・EPA・ビタミン・カルシウム・鉄分など体に良い栄養成分がたっぷり含まれています。
さんまの栄養成分EPA、DHAは「病気の予防」に効果的
さんまに含まれるEPA(エイコサペタンエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)には、血液をサラサラにする成分や脳細胞を活性化させ、頭の回転を良くする効果があると言われています。
それにより脳梗塞や心筋梗塞などの病気の予防、痴呆症やアルツハイマー型認知症等の予防に効果があるのです。
さんまの栄養成分 ビタミン・鉄分・カルシウムには「美容効果」がある
さんまはビタミンを豊富に含んでいるため、美容効果があるとされています。
皮膚や粘膜を丈夫にし、免疫力や抵抗力を高め、ニキビなどの肌トラブルを防ぐ効果もあるのです。
さんまに含まれる鉄分は貧血を予防
成長期に必要なカルシウムやカルシウムの吸収を助けるビタミンDなどの栄養成分も多く含まれています。
またDHA・EPAは、内蔵脂肪を減らす効果があり、血液の流れを良くし代謝を助けダイエットにも効果があるとされています。
しかし、これだけ健康にいいとされているさんまを毎日食べるのは現実的に考えて難しいです。
まとめ
最近の高騰しているさんまの価格は庶民の見方とは言えない金額ですよね。
では、今年はずっと価格が高いのかというと、そうではありません。
去年までは不漁の年が続いていたため、値段も高めに推移する傾向がありましたが、今年は通年サンマ漁解禁によって漁獲量が回復する可能性も出てきています。
しかし、通年サンマ漁解禁によってどのような結果が出るのか、それは今年の漁の結果を見てみなければなりません。
美味しいさんまを安く食べれることに期待しましょう。