菜の花は、少し苦みがある春を感じる野菜です。
アブラナ科の植物で、「菜の花」「菜花(なばな)」「油菜」「芯摘菜(しんつみな)」などと呼ばれ、ビタミン、ミネラルを多く含み、春先の不調を改善してくれる優良野菜です。
そんな菜の花の値段や栄養素また食べ方について詳しくお話ししたいと思います。
菜の花の価格
「菜の花」としてスーパーマーケットや市場で店頭に並んでいるものは、花の咲く前の蕾から下の10㎝位までをキレイに揃えてカットされ、葉は紙で包まれています。
ほとんどが有機栽培の菜の花で、200g前後で約350円~450円くらいです。
一方、「菜花(なばな)」の名前で店頭に並んでいるものは、形が不ぞろいで袋に入れられたものが多いようです。
価格は菜の花よりも安く、200g前後で200円~350円くらいです。
菜の花を旬の時期以外に利用したいときは、冷凍の菜の花が便利です。
冷凍のカットされた菜の花なら500gが300円前後から手に入ります。
菜の花と菜花の違いは?
「菜の花」として売られているものは高価で、「菜花(なばな)」として売られているもののは比較的安価ですが、この違いはいったいどこにあるのでしょうか?
「菜の花」を品種改良されたものが「菜花(なばな)」で、菜花は主に茎と葉の部分を食用にします。
呼び名は違いますが、栄養価に変わりはありません。
旬はいつですか
菜の花の旬は12月~3月です。
京野菜の「寒咲花菜」は季節食材として、一足早く12月の初め頃から出始めますが、主に料亭用の食材です。
菜の花は、「春告げ花」とも呼ばれ、観賞用としても栽培されています。
その際、料理のちらしずしやハマグリのお吸い物とともに、菜の花のおひたしが添えられることが多いようです。
選ぶときのポイント
菜の花を購入するときは、花が咲くと苦味が増すので、つぼみが開いておらず締まっていて
葉と茎が柔らかく、切り口がみずみずしいものを選びましょう。
切り口が白く乾いているものは、日にちが経っているので、栄養価が落ちます。
名前の由来は
菜の花の正式名は油菜(アブラナ)です。
菜の花は奈良時代以前から日本に伝わっていたようですが、食用とされる他にも菜種油として灯りに使われてきました。
このことから菜の花をアブラナという説もありますが、定かではありません。
菜の花はアブラナ科の黄色い花の総称で、地方によっては小松菜や水菜なども菜の花といいます。
また、川沿いの土手などに咲いている野生の黄色い花も菜の花と呼びますが、ほとんどが西洋カラシナです。
菜の花の和種と西洋種について
菜の花には和種と西洋種があります
和種は花の茎とつぼみと葉を食べ
西洋種はおもに花茎を食べます。
菜の花の効用と栄養素について
菜の花には、春先に不安定になりやすい肝機能を整える働きがあります。
貧血や便秘、皮膚や粘膜のトラブルにも効果があります。
目まい、イライラなどといった自律神経の乱れからくる不定愁訴の改善効果もあると言われています。
菜の花の栄養成分について
ビタミンCの含有量は、ほうれんそうよりも多く、カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンE、葉酸、カルシウム、マグネシウム、鉄分、食物繊維、カリウム、βカロテンなどの抗酸化作用のある成分が多く含まれています。
菜の花は、わずか半束を食べるだけで1日に必要なビタミン類を摂取できる横綱級の春野菜です。
血行をよくして老廃物を排出する作用もあり、炎症や吹き出物などの肌トラブルにも効果的な野菜です。
病気やストレスへの抵力を強める効果が高く、花粉症の症状を抑える働きがあるとも言われています。
菜の花簡単レシピ
菜の花はアクが強いためさっとゆでて料理に使いますが、菜の花に含まれているビタミンCは、水溶性のため、ゆでると水に溶けだしてしまいます。
そのため、ゆで過ぎないようにしましょう。
塩昆布和え
<2人分>
菜の花半束を塩少々入れてサッとゆでて水気をきり、2~3㎝に切ります。
ボールにゆでた菜の花と、細く切った乾燥塩昆布を一つまみ入れて和えると、お漬物代わりの一品になります。
ゆで過ぎるとシャキシャキ感がなくなり、栄養素も損失するので気を付けましょう。
キノコ炒め
<2人分>
シメジやエリンギなど好みのキノコを1パック、菜の花半束をそれぞれ食べやすい大きさに切り、サラダ油で炒め、塩コショウで味付けます。
油炒めにすると無駄なく栄養分を摂取できます。
鶏肉の卵とじ
<2人分>
菜の花半束と、鶏もも肉を食べやすいように切りわけておきます。
水と酒を4分の1カップ、みりんとしょう油を各大さじ1杯で鶏肉を先に煮て、菜の花の茎の部分、花と順次加えて1~2分煮て、溶き卵2個をまわし入れてふたをして30秒くらい蒸らし、半熟に仕上げます。
菜の花パスタ
<2人分>
スパゲッティを2人分ゆで、ゆで上がる少し前に2~3㎝切った菜の花を茎から順に鍋に入れて、同じ鍋で同時にゆで上げ水気をとっておきます。
熱したフライパンに、オリーブオイルとニンニクのみじん切りと赤唐辛子少々を炒めて、水気を切ったスパゲッティと菜の花を加えてさらに炒め、塩コショウで味付けします。
市販のペペロンチーノソースを用いてもOKです。
菜の花ご飯
<2人分>
菜の花3本ほどを固めにさっとゆでて水気をとり、みじん切りにしてサラダ油少量を入れたフライパンで炒め、塩で味付けをします。
炊き立てのご飯と混ぜ合わせます。
菜の花の産地情報
食用の菜の花をたくさん生産しているのは、三重県、千葉県、徳島県、香川県、高知県などです。
「菜花」としてスパーなどで販売されているものには、アブラナやカラシナ、セイヨウアブラナなどもあり、風味が微妙に違いますが、栄養価には変わりがありません。
その他にも、ブロッコリーやダイコン、コマツナ、タアサイ、ミズナ、キャベツ、ハクサイなども菜花の仲間に含まれます。
菜の花は、観賞用も多く栽培されており、千葉県の房総半島や渥美半島の伊良湖畔、青森県の上北郡横浜町などが有名です。
また、菜の花の産地として知られる三重県は菜の花の発祥の地とも言われています。
ますます菜の花を食べたくなる
人の体は季節ごとに微妙に変わりますが、春先は解毒作用が弱くなっています。
少し苦みのある菜の花は、本格的な春に向けて体や心を健康にしてくれます。
お薬効果も期待できる菜の花を食べて、明るく快活な日々を過ごしましょう。