大根というと、皆さんは白くて太くて細長い大根を思い浮かべますよね?
私もそう思っていましたが、この「イブキ(伊吹)ダイコン」という種類は、ちょっとそれとは違うんです。
大根は割と手頃なお値段で、どこのスーパーでも手に入れることができる為、手にとる方も多いと思います。
煮物に、味噌汁に、メインの付け合わせに、大根おろしに・・様々な使い方がある大根は日頃から常備していると大変、便利な食材ですよね。
今回は、大根の中でも他の大根とはちょっと違う「イブキダイコン」について紹介します。
皆さんが気になるポイントは、普通のよくある大根とどう違うのか?
値段は他の大根とどれ位、違うのか?どんな食べ方にすると美味しいのか?
健康効果は?などに触れていきます。
イブキ(伊吹)ダイコンとは?
<名前の由来と別名>
「伊吹大根」とは、その名の通り滋賀県にある「伊吹山」の麓で昔から伝統的に栽培されてきた大根です。
古くから神が宿る山として人々から深く信仰されてきた伊吹山には、かの織田信長も山頂に野草園を作り約三千種のハーブを育てていたと言われています。
伊吹大根は実の先端が細くネズミのしっぽの様に尖っている為、地元では「ねずみ大根」とも呼ばれていたようです。
また収穫する時に雪にすっぽり埋まっている大根の首を蹴ると大根が飛び出してくることから「けっからし大根」とも呼ばれているそうです。
そうやって足で蹴り飛ばしても折れたりすることがない位、緻密の肉質である大根だという意味なので、ご安心ください。
<産地は?>
昔から今も主に伊吹山の麓の大久保集落の人々の手によって栽培されています。
江戸時代の文献にも伊吹そばと伊吹大根の相性の良さを書き表されているので歴史が長いんですね。
<どうやって有名に?>
伊吹山の周辺は蕎麦の産地としても知られています。
美味しい蕎麦が作れる理由として、伊吹山の山麓は「湧き水の里」と言われるほど豊富なカルシウムとミネラルを含む湧き水に恵まれています。
更に昼夜の気温差が大きいので蕎麦作りに最も恵まれた環境なんですね。
その「伊吹そば」にちょこんとのっているのが、すりおろしたピリッと辛い伊吹大根です。
<どんな大根なの?>
伊吹大根の特徴は、緑のギザギザした葉と茎に少し赤紫色が入っていて、普通の大根と同じく実は白いですが、形はもっと短く太くて寸胴、お尻は丸く、細いヒゲ根が付いています。
普通の大根との大きな違いは、長さです。普通の大根の半分位(20cm程)が平均的です。
<他の大根との味の違いは?>
伊吹大根の味の特徴といえば、その辛さ!
生で食べると普通の大根の2倍は辛いです。
しかし、その強い辛みこそが伊吹そばと相性がピッタリ!と言われているので、
伊吹大根を味わうには、まずおろしにして味わってみるのが良い、と生産者もオススメされています。
<なぜ、そんなに辛いの?>
伊吹大根は標高の高い所が栽培に適しているので、昼夜の気温差の大きさで普通の大根よりも、ゆっくりと育ちます。
土も平地よりも山の赤土の方が辛味が強い大根ができるのです。
その環境が辛味を出しているんですね。
しかも、冬は大雪になる伊吹山の麓で収穫をするのは本当に一苦労だそうですが、その雪の重さに耐えてこそ伊吹大根の甘味も出るそうです。
イブキダイコンの値段は?
伊吹大根は生産数が少ない為「幻の大根」という別名を持つ程なので、地元でしか手に入らないのでは?
なかなか普段は生の伊吹大根を購入することは難しいかもしれません。
しかし、伊吹大根は様々な加工品が販売されています。
加工品でしたら通販や滋賀県の物産展などイベントで買えそうです。
今回は加工品の中から人気商品をご紹介します!
- ドレッシング・・伊吹大根のおろしやポン酢入りのものなど数種類(495円~)→ノンオイルなので、定番サラダ以外にも天ぷらや焼き魚などにも使えるそうです。
- ぬか漬け(140~200gで432円~) 浅漬け(100gで324円~)
- 切り干し大根
- のど飴 (380円)
- ロールケーキ?!(5月までの限定販売)驚きの生クリームとのコラボ!人気商品です。
これらの人気商品や生の伊吹大根は、滋賀県米原市の道の駅「伊吹の里 旬彩の森」にて、色々な加工品と共に販売しています。
また、漬け物などは通販でも滋賀県米原市の選りすぐり品を販売しているサイトがありますので、加工品はそこから購入することも可能です。
その中でも「伊吹大根を味わうセット」というセットは、3200円にてドレッシング、ぬか漬け、のど飴など7品が入っています。
2017年に行われた漬け物コンテストにて最優秀賞を獲得したという、沢庵(タクワン)のようで甘くない「伊吹大根の飯漬け」という斬新な商品を販売しているサイトもありました。
鮒(ふな)寿司のお米と滋賀県産の酒粕などを配合した漬け物で、3400円で販売中です。
<販売期間は?>
生の伊吹大根は、滋賀県米原市にて10月下旬から3月ぐらいまで販売されています。
道の駅での1日の最高販売数は、50本だそうです。
加工品は、もちろん通年で市場に出回っていますので、ご安心ください。
イブキダイコンの調理方法は?
伝統的な食べ方は、おろし蕎麦とお鍋に使うおろしですが、皮は薄いので皮は剥かずに、そのままおろして食べることができるそうです。
辛いのが好みの方は、生のまま皮を剥いて、スティックにしても、シャキッとした食感が楽しむことができます。
それから、水分が少なくて固くて良く締まっているので、ブリ大根、ふろふき大根にしても煮崩れすることが少なく、加熱することで味も甘くなるので、とても美味しいです。
どんな健康効果があるの?
大根全体に言えることは、デンプン分解酵素(ジアスターゼ)が多く含まれているので、じゃがいもなどデンプンが多く含まれる食材と一緒に食べることにより消化を助けるので、胃もたれや胸やけに効果的とされています。
そして、大根おろしにすることで生まれる辛味成分は発がん抑制と抗菌作用があります。
残念ながら大根の実の部分は、あまり多くの栄養素は含まれていませんが、低カロリーな分、とてもヘルシーな野菜なのでダイエット食として人気があります。
もっと栄養を沢山とりたい!という方は、ぜひ葉を食べて下さい。
葉には、豊富なβカロテンをはじめ、ビタミンC・E、カリウム、カルシウムなど多くの栄養素が含まれています。
葉の調理方法は、炒め物、チャーハン、味噌汁などに入れると美味しく食べられます。
幻のイブキダイコンを食べてみたい!
まとめ
いかがでしたか?「イブキダイコン」という名前の大根は初めて知った!
という人も多かったと思いますが、なかなか手に入らないというプレミア感と地元の生産者の皆さんが昔から今も大雪の中、大切に大切に育てられているという伊吹大根の魅力は伝わりましたか?
私は伊吹大根の魅力にすっかりとりつかれてしまいましたが、今すぐ気軽に滋賀県へ行くことはできないので、まずは通販でも手に入る加工品から食べてみたいと思いました。
そして、いつかぜひ生の伊吹大根のおろしがのった伊吹そばを食べに行ってみたいです!
伊吹大根の産地である大久保集落では、囲炉裏のある古民家で宿泊しながら地元の素材料理を頂いたり、伊吹大根を栽培している峠農場で農業体験なども受け入れているそうです。
自分の手で収穫した伊吹大根は辛くても甘くても最高に美味しいこと間違いないですね!
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