とても日本的な料理法が多い「ごぼう」ですが、日本原産ではなくユーラシア大陸からの渡来種なんです。
「キンピラ」「かき揚げ」「煮物」によく使用されています。
大きく分けて「長根種」「短根種」があります。
地域によって見慣れている「ごぼう」の形が違うということになるんですが、長根種は関東、短根種は関西での栽培が多いですね。
古くは『庭訓往来』に「煮染牛蒡・にしめごぼう」、『北野社家日記』に「たたきごぼう」などの記載もあるほど古い野菜なんですよ。
食用とされたのは平安時代からと言いますから、千年も昔から食べていた野菜ですね。
そんなごぼうにスポットをあてて値段はいくらくらいなのか?栄養は?どんな食べ方ができるのかなどをじっくり取り上げていきますね。
ごぼうの値段は?
見たからに柔らかそうな「新ごぼう」は、細めのものが2本で 200円前後。
大抵は「洗いごぼう」で出回りますから、柔らかそうな薄茶色がとてもきれいです。
でも、日持ちはせず風味も落ちるので、早めに食べるほうが良いです。
「土つきごぼう」なら、少し太めのもの2本で 170~200円前後。
初冬から春先には、日持ちさせる意味もあって「土付き」もので出ています。
土が嫌という人向きには、洗ってビニールにキチンと封をしたものも少なくありません。
ゴボウ1本は、大体100~150gのものが多いようで、「泥付きごぼう」「洗いごぼう」として販売されていますから、使用法を考えて選ぶことが大切。
葉物野菜は季節や天候によって左右されますが、「ごぼう」は土の中で育つのであまり変動はありませんし日持ちもしますから、値は安定していますね。
旬はいつなのですか?
旬は初冬で、初夏なら「新ごぼう」「キンピラ」「柳川鍋」「煮物」などを頭に浮かべる人もおおいですね。
それで何となく冬のイメージが強いので、初冬が旬なのは納得です。
「煮しめ」にも欠かせませんよね。
原産地や歴史について
ユーラシア大陸が原産地で、日本に伝わったのは古くて縄文時代なんだそう。
日本でよく食べられるようになったのは、江戸時代から明治にかけてと、大分遅くなってから。
昔はなんと根や葉っぱを食べたようですが、近年では葉は流通していませんよね。
根や葉っぱということは花も咲くの?
そうなんです。植物だから当然ですが、見たことがある人は少ないかも…。
アザミに似ていて、棘のある紫色のキレイな花だそうですが、季節は春。
「ごぼう」というのはどんな字?
牛蒡・牛旁と書いて「ごぼう」と読むんです。
なんと悪い実と書いて「悪実」なんて呼ばれてもいるんですよ。
これは漢方薬での名前て、実際には悪い実ではないようですが…。
生産地はどこですか?
青森・茨城・北海道で全国の半分以上生産しています。
続いて千葉・宮崎・群馬の順です。
関東と関西
関東では、耕す土が深いので「長いごぼう」が主流です。
反対に関西では耕す土が浅いために「葉ごぼう」「短いごぼう」が栽培されていたのです。
近年は「長いごぼう」が一般的になっているようですね。
この長ごぼうは「滝川ごぼう」と呼ばれているものが中心で、晩秋から冬に出回ります。
関西には独特のごぼうもあります。
京都の伝統的な「堀川ゴボウ」
奈良県宇多市の「宇陀金ごぼう」
ごぼうの栄養価
水溶性食物繊維が非常に豊富です。
ビタミン類では「葉酸・B9」が多く、抗酸化作用がある「ポリフェノール」が多く含まれています。
※ポリフェノールである「クロロゲン酸」は、水に長くさらすことで失われてしまう成分なので調理の際には「皮はむかない」「水にさらさず、すぐ調理する」ことが常識になっているのです。
簡単なレシピ
『ごぼうとこんにゃくの炒め煮』
ごぼう1本は斜め薄切りにして水にさらし、こんにゃく1/2枚と豚こま適宜は食べやすく切り、「ごま油」小さじ1でごぼうから炒めてこんにゃくを加えたら、生姜すりおろし(チューブ)小さじ1と豚肉を加えていため合わせ、砂糖・酒・みりん・醤油各大さじ1を加えて、水分がなくなるまで炒め煮する。
『簡単きんぴらごぼう』
ごぼう1本は軽く泥を洗い落として斜め切りにしてから細切り、水に放してアク抜き。にんじん1/3も同様に切り、胡麻油大さじ1でごぼうから炒めてにんじんと赤唐辛子1本の輪切りを加え、めんつゆ(3倍濃縮)大さじ3・砂糖小さじ1で味付けして水分を飛ばし、「いりごま」をふる。
食卓の中の定番
なくてはならない存在という印象を持っている方も少なくないのではないでしょうか。
ごぼうはいろいろな料理に使える食材です。
栄養も豊かですから、しっかりと食べたいですね。