ふきのとう(蕗の薹)は、春先に出てくるふきの花のつぼみです。
一口食べるとほろ苦い味が口じゅうに広がり、春の訪れを感じさせてくれる山菜です。
この苦さがたまらなく好きという人がいますね。食べなれていない人にとってと確かにおいしくないと感じるかもしれませんが、苦味が絶妙という意見もあるんですよ。
また天然のふきのとうは、雪が解け始める頃にいっせいに顔を出します。
この雪と緑のふきのとうの景色を好む人もいますね。ただ収穫できる時期は短く貴重な食材なんです。
ふきのとうの価格と相場
ふきのとうのスーパーや市場での店頭価格は、1パック6個ぐらい入って350円くらいが相場のようですが、旬の時期が短く出始めは高値で、出回り始めると道の駅などで比較的安く買えます。
ちなみに2018年2月の終わりに、近くのスーパーマーケットで親指大のふきのとうが1パックに6個入って298円でした。
東京などでは高級食材扱いで、1パックに6個ぐらい入ったものが400円~500円もします。
逆に田舎では、山菜取りに出かけて、タダで手に入れることもできます。値段の設定って不思議ですね。
ネットなどでも購入できますが、少量だと送料がかかるため割高になります。
例えば、ふきのとうの大小混合のものが100g前後で500円くらいから、朝に採集したものをすぐ送ってもらえることもでき、新鮮なものを入手できます。
送料が無料のところもあるので、ネットで調べてみましょう。
買ってすぐに食べきれない場合は、ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存しましょう。
また、「ふきのとう」を底値で手に入れたなら、冷凍にしておくと便利ですよ。
下茹でしてアクを抜いて水気をとった後、ポリ袋に入れて小分けして冷凍しておくと2~3ヵ月は美味しく食べることができます。
使うときに自然解凍して、和え物や汁物、炒め物などにできますね。
旬の時期は?
ふきのとう(蕗の薹)はキク科フキ属の多年草で、全国の山野に自生しているふきの花のつぼみ(花茎)のことです。
旬は3〜5月頃で、丸みのある緑の鮮やかなものが良品といえます。
食べごろは、つぼみが硬く閉じて締まりがある頃で、花芽が見え始めると苦味やえぐみが増します。
早春の食材として、てんぷらや和え物、フキ味噌などに広く利用されています。
近頃では高級食材としてお正月料理などに用いられることも多く
東京近郊の料亭などに向けて、12月の下旬から房総半島や伊豆半島原産のふきのとうが出荷されています。
ふきのとう(蕗の薹)の名前の由来
ふきのとうの名前の由来は、ふきの頭(あたま)という説など諸説あります。
他にも、冬黄(ふゆき)が省略されという説は、雄株のふきのとうが冬に黄色い花を咲かせることから、この名前がつき、徐々に省略され「ふき」になったともいわれていますね。
ふきのとうは、万葉集にも詠まれており、古くから早春の山菜として珍重されていました。
ふきのとうは、蕗の姑(ふきのしゅうとめ)とも呼ばれることがあります。
ふきのとうが大きくなれば、茎の長いフキになると思っている人も多いようですが、花芽と茎は地下茎でつながっており、花と葉はそれぞれ別につきます。
花の部分がふきのとうになり、葉の部分が伸びて茎になり、ふきになります。
コロンとした可愛い形の姿ですが、強い山菜ですね。
栄養成分について
体内でビタミンAに変わるβカロテンや、糖や脂質などの代謝に必要なビタミンB 群が豊富に含まれています。
βカロテンに関しては。フキ本体に含まれる8倍もの量を含みます。
ビタミンB1 、B2、B6、E、 K、葉酸、ミネラルなども含まれています。
健康な体を維持するために必要なカリウムやリン、鉄などのミネラル分も多く、生活習慣病予防のためにもおすすめの山野草です。
ふきのとうの効用
ふきのとうは、独特の苦みがあり、たくさん食べられるものではありませんが、少量の摂取でも貧血や便秘の解消が期待できます。
その他にもコレステロールの上昇を抑制したり、皮膚や粘膜の保護をする働きもあります。
独特の苦みはアルカロイド系の成分によるものですが、新陳代謝を活発にして食欲不振を解消し、消化促進に役立ちます。
ふきのとうの簡単なレシピ
ふきのとうはアクが強いので、和え物やおひたしにして食べるときは、お湯を沸騰させ、塩を少量入れ2~3分ゆでて、冷水にさらしてから水気をとって調理します。
ばっけみそ
あく抜きをして水気を切ったふきのとうをみじん切りにして、味噌、みりん、酒を混ぜ合わします。東北地方に伝わる素朴な料理で、各家庭によって調味料の分量は違います。
味噌は良質なたんぱく質を含んでいるため、栄養のバランスがとれた一品になります。
天ぷら
天ぷらの場合は、アク抜きをしなくても大丈夫です。
つぼみが大きいものはガクをある程度手で開いてから揚げると、中まで火が通ります。
低めの温度で揚げると、徐々につぼみが開いて苦味も和らぎます。
油とふきのとうは相性が良く、栄養素を効率よく摂取することができます。
パスタ
パスタを好みの硬さに湯で、あく抜きをしたフキノトウ、味噌、砂糖、パスタのゆで汁少々を加えバターを足して混ぜ合わせます。
炊飯器で作るパンケーキ
ホットケーキミックスに牛乳1カップと卵1個、黒砂糖を溶かしたものを入れ、ふきのとう1~2本をゆでてアク抜きしたものをみじん切りにして、混ぜ合わせます。
炊飯器にサラダ油をぬり、流し込んで普通に炊飯スイッチを押します。
竹ぐしを挿して、何もついてこなければ焼き上がっています。
ふきのとうの産地
ふきのとうはハウスものは12月から2月頃まで、天然物は1月頃から4月頃まで店頭に出まわっています。
天然物は東北地方の岩手県、秋田県、福島県からの出荷が多く、愛知県や群馬県、長野県なども収穫量が高いようです。
ふきのとう-日本原産の山菜を楽しみたい
もし、ふきのとうが大好きなら、家の裏などにふきの苗を植えておくと、地下茎が増えて収穫することができます。
ネットなどでも苗を購入することができます。
ふきは、ふきのとうも、茎も葉も利用することができ、料理のレパートリーが広がります。
季節感のある山菜は食べておいしいだけでなく、目や香りで楽しましてくれ、お薬効果も得ることができます。